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君たちに明日はない*垣根涼介

  • 2008/09/20(土) 16:55:16

君たちに明日はない (新潮文庫 (か-47-1))君たちに明日はない (新潮文庫 (か-47-1))
(2007/09/28)
垣根 涼介

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「私はもう用済みってことですか!?」
リストラ請負会社に勤める村上真介の仕事はクビ切り面接官。どんなに恨まれ、なじられ、泣かれても、なぜかこの仕事にはやりがいを感じている。建材メーカーの課長代理、陽子の面接を担当した真介は、気の強い八つ年上の彼女に好意をおぼえるのだが・・・・・。
恋に仕事に奮闘するすべての社会人に捧げる、勇気沸き立つ人間ドラマ。山本周五郎賞受賞作。


「File 1. 怒り狂う女」 「File 2. オモチャの男」 「File 3. 旧友」 「File 4. 八方ふさがりの女」 「File 5. 去り行く者」

リストラ請負会社の一社員・村上真介、33歳をキーにした連載短編集である。
リストラ請負会社というものが実際にあるのかどうか判らないが、社内で手に負えない、あるいは差しさわりがあって手をつけられないリストラという名のクビ切りのための面接をするのが村上の仕事である。
白痴的美女の川田美代子を隣に置いて、真介はきょうも様々な会社へと出向く。

リストラという厳しい現実の一場面とそこから派生する諸々を、茶化すことなく、さりとて悲惨さを前面に出すこともなく軽快な、しかも人情味あふれるタッチで描いていて好感が持てる。




はじまり

       File 1. 怒り狂う女
         1

 おれは、いったい何をやっているんだろう――。
 つい先ほど。五人目の被面接者が肩を落とし、部屋を出て行った。この会社の経営企画部の課長だ。
 ちらりと壁時計を盗み見る。午後三時。昼食をはさんで、もう五時間もぶっ続けで面接を行っている。うち四人までが、自己都合退社をしぶしぶと受け入れた。




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じゃじゃままブックレビュー

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君たちに明日はない 垣根涼介著。

≪★★★≫ 軽い短編かと思ったら、軽いは軽いだけど、ちょっと真介いい男すぎませんかね。 さすが男性作家というか、女性も格好よすぎ。41歳で、なかなかそういい女はいないと思うんだけど、なんか陽子を見ていると、ああ、男性が書くキャリアウーマン像だな~と。 結?...

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2008/09/23(火) 22:53:48

この記事に対するコメント

こんな垣根さんははじめてでしたね。
今まで何冊か読んだ彼の作品はどこか「肩に力が入っている」感じが、作品としての質を削いでいたのですが、「ちょうどいい」力の抜け具合で楽しめました。川田というサブキャラが意外にも効いていたのかもしれません。

  • 投稿者: チョロ
  • 2008/09/21(日) 06:29:23
  • [編集]

そうらしいですね。
垣根作品初読みだったのだけれど
愉しい読書タイムになりました。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2008/09/21(日) 08:21:45
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読み終わった後、続編ないのかな~と思って数年。出ましたね、続編が。「借金取りの王子」もよかったです。垣根さんもこんなノリの書くんですね~。嫌いじゃないですね。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2008/09/23(火) 22:58:04
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実はこの本、夫が読み終わったものの中にあったのをたまたま読んでみたのだけれど
イメージしていた著者の作風とまったく違っていて面白かったです。
『借金取りの王子』もさっそく予約しました。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2008/09/24(水) 06:43:37
  • [編集]

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