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裁判員法廷*芦辺拓

  • 2008/10/01(水) 17:29:49

裁判員法廷裁判員法廷
(2008/02)
芦辺 拓

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ある日、あなたのもとに届いた1通の「呼出状」。それがとんでもない日々の始まりだった…。二転三転する評議、そして事件の真相は。裁判員制度の仕組みや公判の流れがわかる、史上初の裁判員ミステリー。


「審理」 「評議」 「自白」というタイトルで、三つの事件が扱われている。

事件はどれも殺人事件だが、タイトルからも判るように、切り口がそれぞれ違う。裁判員の感情の動きや考える道筋なども描かれていて、裁判員制度の入門書としても読めそうである。有罪無罪だけでなく、量刑をも判断する裁判員の目線で読むことになるので、ミステリとしてもいつもと視点が変わって興味深い。ただやみくもに当て推量してはいけないような心持ちにさせられるから不思議である。
現実の問題としてその場に座ることになったら、きちんと見聞きして適切な判断が下せるのかどうか、はなはだ心許なくもある。





はじまり

       プロローグにかわるメッセージ

 これは、裁判員法廷二〇〇九からあなたへの招待状せんー。

 ある日あるとき、あなたの住まいに一通の封書が届けられます。
 あて名は確かにあなた、差出人はとみれば、最寄の地方裁判所の名がいかめしく記してある。
 何ごとかと封を切ってみると、まず目に入ったのは「呼出状」の三文字。その瞬間、あなたは法廷に引き出される自分を想像してドキリとし、と同時に、いまから何ヵ月か前に同じ裁判所から届いた通知のことを思い出すかもしれません。

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