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床下仙人*原宏一

  • 2008/10/05(日) 20:40:12

床下仙人床下仙人
(1999/09)
原 宏一

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「家の中に変な男が棲んでいるのよ」妻の訴えを、おれは一笑に付した。念願のマイホームに入居して二カ月、そんなバカなことがあってたまるか!長距離通勤で疲れているおれをからかわんでくれ!だが出張から帰宅したある日、おれは我が目を疑った。リビングで、妻と子が得体の知らない長髪、髭面の男と談笑しているではないか。いったい、誰なんだ、この“仙人”みたいな野郎は!?(表題作より)不況、リストラ、家庭不和…現代ニッポン人が抱える悩みを、注目の異才が風刺と諧謔で鮮やかに捌いた新奇想小説。


表題作のほか、「てんぷら社員」 「戦争管理組合」 「派遣社長」 「シューシャイン・ギャング」

家の床下に棲み着く男の正体は・・・、記録にはあるが記憶にない社員がやったこと、男社会と闘う女たち、派遣社長を契約した会社の未来はどうなる、押しかけ靴磨きの少女と失業男の関係は・・・。どれも着想が面白い。一歩踏み外したら、あり得ないと笑ってはいられないような危うさも感じさせられて背筋が寒くなることもあった。知らず知らずのうちに本末転倒していないかどうか、ときどき我が身を省みた方がいいのかもしれない。




はじまり

       「床下仙人」

 この家には何かいる。
 妻がそう言いだしたのは、入居して二ヶ月ほど経ったころだった。
 「何かって、おばけでもいるっていうのか?」
 おれが笑うと、
 「それはわかんないけど」
 妻は口ごもる。
 ときどき、朝起きてみると新聞が片付いているのだという。たしか前夜はリビングルームのソファに読み置いて寝たはずなのに、翌朝にはちゃんと、勝手口の古新聞置き場に仕舞われてある。四隅をそろえて折りたたみ、新聞屋がもってきた古新聞整理用の紙袋にきちんと入れてある。




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ふらっとさん☆こんばんは
謎の平社員とか、床下の男とか、もしかしたら本当にいるかも?って思えてしまいました。
こういう身近なミステリーってかなり怖い気がします。

  • 投稿者: Roko
  • 2008/10/05(日) 21:55:03
  • [編集]

そうですね。
いつの間にかこんな世界に取り込まれているかもしれない、という怖さがあります。

いつもTBいただくのに、なぜかこちらに反映されないようで、ごめんなさい。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2008/10/06(月) 06:47:30
  • [編集]

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