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蕎麦ときしめん*清水義範

  • 2008/10/14(火) 17:10:26

蕎麦ときしめん蕎麦ときしめん
(1986/11)
清水 義範

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読者はパスティーシュという言葉を知っているか?これはフランス語で模倣作品という意味である。じつは作者清水義範はこの言葉を知らなかった。知らずにパスティーシュしてしまったのだ。鬼才野坂昭如をして「とんでもない小説」と言わしめた、とんでもないパスティーシュの作品の数々、じっくりとお楽しみを。


表題作のほか、「商道をゆく」 「序文」 「猿蟹の賦」 「三人の雀鬼」 「きしめんの逆襲」

さすが清水義範!と言うしかない一冊である。名古屋人である著者による――と言ってしまってはいけないのかもしれないが――名古屋論がまさに痛快である。著者にしか書けないだろうとも思われる。ミステリの仕掛けとはまたひと味違った清水流の仕掛けが愉しめる。思わず名古屋に行ってみたくなる。





はじまり

       「蕎麦ときしめん」

         前書き
 初めに、誤解のないように明らかにしておきたいのだが、ここに私(清水)が紹介する論文は、私の書いたものではない。私は偶然この論文を発見し、その内容があまりにも奇妙奇天烈であることにあきれかえり、これは論文というよりむしろナンセンス読物であると思った。そう思って読めばかなり面白いので、あまり人の目に触れることもなさそうだったその論文を、多くの人に公開してみたくなったのである。

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