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ベルカ、吠えないのか?*古川日出男

  • 2008/10/30(木) 18:11:40

ベルカ、吠えないのか?ベルカ、吠えないのか?
(2005/04/22)
古川 日出男

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1943年、日本軍が撤収したキスカ島。無人の島には4頭の軍用犬が残された。捨てられた事実を理解するイヌたち。やがて彼らが島を離れる日がきて-。それは大いなる「イヌによる現代史」の始まりだった!
二十世紀をまるごと描いた、古川日出男による超・世界クロニクル。四頭のイヌから始まる、「戦争の世紀」。


神の目とも言える全世界を大局的に眺める視点が物語自体を語り、また、犬に語りかけることで犬に物語を語らせている。
キスカ島に残された四頭の犬の系統樹が世界にどんどん広がり、途絶えそうになりながら枝を伸ばしていくさまが感動的ですらある。
世界中でなくならない戦争も、犬を通してみることで、既存の尺度で測れない別物として捉えられたりもするのが興味深い。尊大な人間の愚かさと、獣である犬の本能の正しさが対比され、歴史と共に生き、ときに歴史の流れを変えさえしたのではないかと思われる場面に立ち会った犬たちの存在感には圧倒されるものがある。





はじまり


これはフィクションだってあなたたちは言うだろう。
おれもそれは認めるだろう。でも、あなたたち、
この世にフィクション以外のなにがあると思ってるんだ?

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