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虚栄の肖像*北森鴻

  • 2008/11/21(金) 18:23:09

虚栄の肖像虚栄の肖像
(2008/09)
北森 鴻

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墓前での奇妙な花宴で依頼されたのは、肖像画の修復。報酬は、桜を活けた古備前というが…。表題作ほか全3篇を収録した、ミステリー連作短篇集。花師と絵画修復師、2つの顔を持つ佐月恭壱シリーズ第2弾。


表題作のほか、「葡萄と乳房」 「秘画師遺聞」。

『深淵のガランス』の続編である。
銀座で花師を営み、その一方で絵画修復師としても名を馳せる佐月恭壱(さつき きょういち)の元には、曰くつきの依頼がたびたび舞いこむ。それも偶然を装って巧まれたりもするのである。佐月の腕の確かさの証でもあるのだが、そのたびに佐月は怪しげな成り行きに巻き込まれることにもなるのである。読者としては、その巻き込まれ方が面白いともいえるのだが。
前作で登場した、朱健民・明花親子、前畑善次郎、若槻らに加え、今作では、佐月が大切に思う人がキーパーソンとして登場し、珍しく佐月の心を揺らすのも見所である。
人の思惑が一枚の絵の中に封じ込められている様は、芸術作品というよりも、人間の煩悩の縮図を見るようにも思えてくるのである。




はじまり

       「虚栄の肖像」

 ――冥府の宴か・・・・・。
 そういわれても仕方のない奇妙な花宴であった。場所は黒御影石の墓碑の前。緋毛氈を広げ、五、六人の男女が器を並べて酒食に興じている。器といってもどこの店舗でも購入できるそれではなく、有田焼の大皿小皿、白磁の酒瓶、南京赤絵の茶碗に黒瀬戸といった銘物・・・・・中でも目を引くのが、古備前の甕と、そこに活けられた桜であった。




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  • 2008/11/29(土) 23:35:46

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