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仏果を得ず*三浦しをん
- 2008/12/05(金) 07:49:19
![]() | 仏果を得ず (2007/11) 三浦 しをん 商品詳細を見る |
“好き”が過ぎるとバカになる。でも、そんなバカならなってみたい。文楽に賭ける若手大夫の熱い青春。直木賞作家が愛をこめて語ります。
仏果:仏道の修行によって得た仏の境地。
演目
一、幕開き三番叟
二、女殺油地獄
三、日高川入相花王
四、ひらかな盛衰記
五、本朝廿四考
六、心中天の網島
七、妹背山婦女庭訓
八、仮名手本忠臣蔵
やんちゃだった高校時代に、文楽に出会って衝撃を受け、それから一途にのめりこんでいる健(たける)の物語である。
どこかスポーツ根性物とも通じるところがあるのは、ひたすら稽古稽古でなにかを悟るという心の持ちようが似ているからかもしれない。
そして、それぞれの演目ごとに健に降りかかる難題に答えを見つけ出す過程は、さながらミステリの謎解きのようである。
田中啓文氏の「笑酔亭梅寿シリーズ」を思い出させる雰囲気もある。
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はじまり
一、幕開き三番叟
「おまはん、六月から兎一郎と組みぃ」
と健が銀太夫に言われたのは、春もまだ浅いころのことだった。
健はちょうど、楽屋の胡蝶蘭に水をやっていた。「笹本銀太夫さん江」という札の立った鉢には、白い花を咲かせて重そうにしなる株が三本。こういう鉢を、師匠の銀太夫は初日のたびにいくつももらう。置ききれないぶんは、楽屋口の受付の脇に並べて飾る。
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この記事に対するコメント
文楽フリークの三浦氏らしい作品でしたね。
ただ本人が書きたいテーマかどうかやや疑問は残るのですが、見事な筆捌きで読ませてくれるのは確かです。やはりキャラクターの作り方、それぞれの関係性の描き方が抜群にうまい、という印象です。
田中啓文氏の一連のシリーズにも、確かに似ていますね。
文楽にはまるで詳しくありませんけれど
惚れこみのめりこむ熱情が伝わってきて
心地好ささえ感じられました。