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東京島*桐野夏生

  • 2009/01/09(金) 19:12:57

東京島東京島
(2008/05)
桐野 夏生

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あたしは必ず、脱出してみせる――。ノンストップ最新長篇!

32 人が流れ着いた太平洋の涯の島に、女は清子ひとりだけ。いつまで待っても、無人島に助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。果たして、ここは地獄か、楽園か? いつか脱出できるのか――。欲を剥き出しに生に縋りつく人間たちの極限状態を容赦なく描き、読む者の手を止めさせない傑作長篇誕生!


読み始める前は、もっと象徴的な物語かと思っていたのだが、まさに無人島サバイバル物語であった。
ただ、たったひとりの女を含む男たちの、ある意味閉ざされた場所での落胆と焦燥と本能の欲求とで始まった日々の生き様は、それまで生きていた場所の縮図とも言えるようで興味深い。名前を与えることで、何もなかった物事に意味づけをする様子は、現代人の心許なさを見るようでもある。しかも、皆が心の拠り所とするいわば中心的な場所につけられた名前が、「ナガタチョウ」でも「カスミガセキ」ではなく「コウキョ」であるというのもとても日本人的であり、皮肉でもあるように思われる。
後日談には、拍子抜けの感もあるが、納得もできる。脱出した者と残った者、どちらがほんとうに幸福だろうか。

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東京島 桐野夏生著。

≪★★★≫ 夫との世界一周の航海で遭難し、無人島に漂着した清子。後に、同じく遭難して漂着してきた日本人と中国人と共に、トウキョウと名付けた島で救出を待ちわびながらも、生き延びるためのサバイバルが始まった。 てっきり「バトルロワイヤル」みたいな殺戮が繰り?...

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2009/02/02(月) 12:03:44

東京島  桐野夏生

東京島/桐野 夏生 桐野夏生 新潮社 2008 STORY: 夫の隆とともに遭難し、無人島にたどり着いた清子。そこに漂流してきた日本人と中国人の男たちの中で、女はただ一人。隆の死後、清子はくじ引きで決めた男と2年ごとに結婚することになって…。 感想:  ?...

  • From: 読書・映画・ドラマetc覚書(アメブロ版) |
  • 2009/03/08(日) 18:11:30

東京島<桐野夏生>-(本:2009年38冊目)-

東京島クチコミを見る # 出版社: 新潮社 (2008/05) # ISBN-10: 4104667021 評価:81点 巷では結構酷評もされているようだが、私的にはかなり面白かった。 内容や本の厚さから、すぐに読みきれるだろうと思っていたのだが、随分と時間がかかってしまった。 途?...

  • From: デコ親父はいつも減量中 |
  • 2009/03/28(土) 13:26:00

・「東京島」桐野夏生

無人島に男31人と女1人が流れ着いた。 すごいテーマを考えたものだ。しかもその女性の設定年齢が見事。46歳。若くては駄目だけど、どこまで上げるか。46歳は私より年下であるが、仮に20台の若者だとしても充分性の対象になる年齢だ。さらに出産という観点で考え?...

  • From: 肩の力を抜いて |
  • 2009/10/16(金) 13:02:53

この記事に対するコメント

ふらっとさん☆こんにちは
100年くらい経ってからこの島が発見されたとしても、その頃にはもう日本に帰る意味などないですからねぇ!
無人島から脱出できた人と残った人のどちらが幸せかは良く分かりません。(^^ゞ

  • 投稿者: Roko
  • 2009/01/11(日) 13:14:06
  • [編集]

桐野さんらしいラストとも言えますね。

100年後の東京島は、もしかすると現在の日本かもしれないなぁ・・・なんて考えるのは、自虐的にすぎるでしょうか。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2009/01/12(月) 07:37:22
  • [編集]

なかなか脱出できないわりには、やたらと漂着してきますね。
清子が、若くて美人だったら、また別の恐怖もあっただろうな、と別ストーリー考えながら読んでました。あのおばさん、図太かったですね~。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2009/02/02(月) 12:10:42
  • [編集]

魔の潮流でもあるのでしょうね^^;

清子の年齢
ちょうど微妙な感じですものね。
それがかえってどっちつかずで、物語を面白くしたのかもしれませんね。

後日談をみると、「ほんとうにこれでいいの?」という思いもあるけれど、そこが桐野流のリアルっぽさですね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2009/02/02(月) 13:20:20
  • [編集]

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