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夏のくじら*大崎梢

  • 2009/01/16(金) 19:02:05

夏のくじら夏のくじら
(2008/08)
大崎 梢

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都会から高知にやってきた大学生・篤史は、従兄弟から強引に本場・よさこい祭りに誘われる。衣装、振り付け、地方車、鳴子。六年ぶりに復活する町内会チームは、どこよりも熱い。南国高知、真夏の風は、空から海へと吹き抜ける。一途な思いを秘めて、踊る青春群像。


篤史は東京で家族と暮らしていたが、高知大学に入学が決まり、祖父母や従兄弟が住む高知へやってきた。従兄弟の多郎に強引に誘われて、よさこい祭りに参加することにさせられてしまったのだが、みんなの熱意と祭りの熱気の中にいるうちに、次第に自分も燃えてくるのだった。
篤史が高知に来たのには実はある理由があったのだった。四年前、成り行きから参加したよさこいのときに、メダルをくれた年上の女性を探し、自分が取ったメダルをあげること。中学生のころほのかな恋心を抱いたが、それきり会うことが叶わなかった彼女との約束なのだった。
祭りの準備のあれこれ――衣装、音楽、振り付け、地方車の飾りつけ、参加者集め、タイムスケジュール、ほかにも山ほど――の大変さ、祭り本番に向けていやが上にも高まる興奮。期待と不安、自信のなさや自負。そんなよさこい祭り自体の熱気に、ほとんど手がかりがないと言ってもいいような女性探しというミステリの要素が加わって、ただ汗と涙の感動物語というだけではない、ほろ苦くて甘い物語にもなっていて、とてもバランスがよく、じんわりあたたかい一冊だった。



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夏のくじら  大崎梢

夏のくじら/大崎 梢 大崎梢 文藝春秋 2008 STORY: 高知の祖父母のもとに下宿し、大学に通うことになった篤史は、いとこに誘われ、しぶしぶながら地元のよさこいチームに入る。篤史が高知に来た訳は、4年前によさこいに参加したときに出会った女性にもう一...

  • From: 読書・映画・ドラマetc覚書(アメブロ版) |
  • 2009/01/17(土) 18:57:00

夏のくじら 大崎梢著。

≪★★★≫ 大崎氏の本屋以外の本ですね。 あ、他にも一作あったか、本屋以外。 東京から父の故郷である高知へ、大学進学のために祖母の家にやって来た篤史。従兄に誘われ、4年前に参加したっきりのよさこい祭りへ、戸惑いながらもまた参加することになった。 いったい、...

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2009/01/27(火) 11:43:58

この記事に対するコメント

よさこいを見る目が変わりますね。こんな風になにかに打ち込めることっていいなと本気で思います。
若い時に、いろんなことにチャレンジしておくんだったって、本気で思いましたね。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2009/01/27(火) 11:46:02
  • [編集]

そうですね。
倦怠感とか無気力が蔓延しているようないまの世の中だけれど
こんなに熱い人たちや場所があるのだということを、現実味を伴って感じられました。
とてもしあわせな体験でしょうね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2009/01/27(火) 13:17:44
  • [編集]

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