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金色の野辺に唄う*あさのあつこ

  • 2009/02/11(水) 16:32:00

金色の野辺に唄う金色の野辺に唄う
(2008/05/31)
あさの あつこ

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山陰の静かな山あいの町で、九十を超えた老女・松恵が息をひきとろうとしていた。看取るのは、松恵の曾孫で絵心を持つ中学生・東真、松恵の孫に嫁いだ元 OL・美代子、近所の花屋店員・史明、松恵の娘で稀な美貌を授かり持った奈緒子。四人ともかつて松恵に受け止められ、救われた過去があった―。屈託や業を抱えながらも、誰かと繋がり共に生き抜いていくことの喜びを、晩秋の美しい風景の中に力強く描き出した連作短編集。


あたたかく、誰にでも好かれた松恵ばあちゃんが天寿を全うし、眠るように息をひきとろうとするとき、寄り添っていたのは、曾孫の東真(あずま)であった。彼が五歳のときに描いた焔のような柿の絵を、松恵は大好きなのだった。
松恵の死の周りに集う人たちそれぞれの、さまざまな時代での視点で、松恵とそれぞれのことが思い出され語られる様は、薄紙をのりしろで丁寧に貼りあわせて一枚の絵巻にするようでもある。
勘違いばかりで生きてしまったと、最期のときにたとえ思ったとしても、それはきっとしあわせな勘違いだったのだろう。人は、一生のうちにさまざまな人に影響を与え、与えられるが、その人の一生は、その人ひとりのものであるのだ。それぞれが、自分の思うように悼むのである。それは、旅立つもののためでもあると同時に、生きている自分のためでもあるのだろう。




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この記事に対するコメント

時間が経ってからの方が、タイトルと物語がしっくりきました。
人間、周囲の人には優しく接して生きていきたいものですね。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2009/02/11(水) 23:16:28
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松恵ばあちゃんに、会ってみたかったです。
他人を(たとえふらりと入り込んできた見知らぬ男でも)、まず認める、という資質は、まるで神さまのようでしたね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2009/02/12(木) 06:30:20
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