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失踪者*折原一

  • 2009/08/16(日) 13:41:03

失踪者失踪者
(1998/11)
折原 一

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ノンフィクション作家・高嶺隆一郎は真犯人に直接インタビューする手法をとっていた。埼玉県の久喜市で起きている連続失踪事件を調査するなかで、15年前の同様の事件との関連性が浮かび上がる。月曜日に女が消えること、現場に「ユダ」「ユダの息子」のメモが残されること。犯人はまた「少年A」なのか。


まるで15年前を模倣したかのようなそっくりな連続失踪事件が起こる。高嶺隆一郎は、重要参考人と目される人やその周辺の人たちに取材して「ユダの息子」を書き上げるが、その後、彼自身も何者かに襲われる。そんなとき、押しかけ助手の神崎弓子は、独自の調査によって核心に近づいて行く。
15年前の事件の容疑者・少年Aと現在の容疑者・少年A。まったく別の人物であるふたりの少年Aの存在が、物語上での過去と現在との時間の行き来に――それが著者の意図なのだろうが――混乱を生じさせ、読者に立ち位置を見失わせる。どちらの事件もごく近い場所で起き、 似たような周辺環境であるのも錯覚を促す一因である。騙されまいとして読み進んでも、ときどき混乱させられる。
いままで読んだ「○○者」シリーズのなかでは、本作がいちばん面白かった。

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