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海のある奈良に死す*有栖川有栖

  • 2009/08/22(土) 16:36:30

海のある奈良に死す海のある奈良に死す
(1995/03)
有栖川 有栖

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半年がかりの長編の見本を見るために珀友社へ出向いた推理作家・有栖川有栖は、同業者の赤星と出会い話に花を咲かす。だが彼は「海のある奈良へ」と言い残し翌日、福井の古都・小浜で死体で発見された。
地図に秘められたトリック。時刻表でも、旅情でもない、本格推理の新境地。奔放、奇抜な発想と巧妙な謎解き。新鋭実力派が放つ長編ミステリーの意欲作。


アリス・火村コンビの初期の作品であるが、スタンスはほぼ変わらず、強いて言えば近作の方が、アリスが自らを三枚目に仕立てているかもしれない。
「行ってくる。海のある奈良へ」という言葉を残して取材旅行に出かけ、死体になって帰って来た推理作家・赤星楽の、次の一冊になるはずだった物語の登場人物になって、アリスと火村が謎解きするような構成に(結果的に)なっているのも面白い。形になるはずだった小説上のミスリードを現実にも辿ってしまったりするのである。
また、民族学の要素や地理的トリックの要素、人物相関の要素など、多様な要素が盛り込まれていて興味深く愉しめる。

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