FC2ブログ

無理*奥田英朗

  • 2009/11/11(水) 13:04:26

無理無理
(2009/09/29)
奥田 英朗

商品詳細を見る

人口12万人の寂れた地方都市・ゆめの。この地で鬱屈を抱えながら生きる5人の人間が陥った思いがけない事態を描く渾身の群像劇。

相原友則―弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしているケースワーカー。
久保史恵―東京の大学に進学し、この町を出ようと心に決めている高校2年生。
加藤裕也―暴走族上がりで詐欺まがいの商品を売りつけるセールスマン。
堀部妙子―スーパーの保安員をしながら新興宗教にすがる、孤独な48歳。
山本順一― もっと大きな仕事がしたいと、県議会に打って出る腹づもりの市議会議員。

出口のないこの社会で、彼らに未来は開けるのか。


ゆめの市という寂れた地方都市に暮らすという以外何も接点のない五人である。それぞれの状況が交錯することなく順番に淡々と描かれている。それだけで充分に重い。どの人物の物語も、明らかな他人事と割り切れないところが、さらに胸の中にもやもやを溜め込み重くする。
ひとりずつでも充分に重いのに、どういうわけかラストで彼らは吸い寄せられるように一箇所に集まり、とんでもない事故に巻き込まれるのである。しかし、命の危険さえあるようなこの事故が、なぜか救いのようにも思えてしまう。それほど重い一冊だった。


V
V

TB
じゅずじの旦那
じゃじゃままブックレビュー
itchy1976の日記

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

「無理」(奥田英朗)■地方都市の低迷を見事に描き出した快作!

奥田英朗の新作「無理」を読むんだ。昨年の「オリンピックの身代金」は読んでいないが、これは「邪魔」と「最悪」につながる「奥田ワールド」の快作である。舞台はゆめの市という架空の地方都市。そこに生きる人々の中の五人が描かれ、一種の群像劇であり、「ショート・カ...

  • From: 映画と出会う・世界が変わる |
  • 2009/11/27(金) 09:20:13

無理 / 奥田 英朗

「クラッシュ(2004アメリカ映画)」の地方版 無理posted with amazlet at 09.11.27奥田 英朗 文藝春秋 売り上げランキング: 847おすすめ度の平均: 奥田節...

  • From: ぁの、アレ!床屋のぐるぐる回ってるヤツ! |
  • 2009/11/29(日) 12:13:21

【無理】 奥田英朗 著

どこにもありそうな地方都市。活気がなくて、でも生きていかなくてはならない・・・  まずは来訪記念にどうかひとつ! [:next:] 人気blogランキング【あらすじ】合併でできた地方都市、ゆめので暮らす5人。相原友則―弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしているケ...

  • From: じゅずじの旦那 |
  • 2010/02/19(金) 09:21:27

無理 奥田英朗著。

≪★★★≫ 合併間もない地方都市ゆめの市。妻に浮気され捨てられた生活保護課の市役所職員相原友則、こんな田舎暮らしから抜け出して東京で女子大生になることが目標の女子高生久保史恵、元暴走族で年寄りばかり狙った詐欺まがいの営業をしている加藤裕也、スーパーに派?...

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2010/04/27(火) 23:14:39

奥田英朗『無理』

無理奥田 英朗文藝春秋 今回は、奥田英朗『無理』を紹介します。群像劇ですね。舞台は東北の地方都市12万人が住んでいるゆめの市である。そこにすんでいる5人。自分で何とかしようとしているんだけど、この町にいるがゆえになんともできないというもどかしさがわかる。ま...

  • From: itchy1976の日記 |
  • 2011/05/21(土) 13:51:56

この記事に対するコメント

私も先月読みました。
重苦しいことこの上ないので、なかなかページが進まなかったです。
そうですか、最後の事故は救いなのかもしれませんね。
ふらっとさんの一言を読んではっとしました。
私はただ、最後までもやもやした話だった、何の解決もなく終わってしまってこんなの卑怯じゃないの、なんて思っていました^^;
もう一度読み返してみます…

  • 投稿者: ベンジャミン
  • 2009/11/13(金) 10:33:14
  • [編集]

あのラストを救いと感じてしまうのは、ある種の逃げかもしれませんね。
でも、逃げ出したくなるほど重い一冊でした。

もしかするとあのラストのあとにつづくのは、もっとずっと重い物語かもしれない、とも思います。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2009/11/13(金) 13:45:44
  • [編集]

確かにあのラストで救われた人たちいますもんね。監禁されてた少女も、このままだと本当にやばいことになりそうだった市議や元族の青年。
彼らはあの事故で、これ以上の最悪から逃れましたよね。
盛りだくさんの話でしたよね。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2010/04/27(火) 23:21:35
  • [編集]

最悪の事態から逃れたことがよかったのかどうかは別として、彼らの中ではこの先のなにかが変わった瞬間だったのだろうと思うと、やはり救いだったのかな、とも思えます。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2010/04/28(水) 06:36:27
  • [編集]

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する