亜愛一郎の逃亡*泡坂妻夫

  • 2009/12/10(木) 16:59:27

亜愛一郎の逃亡 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)亜愛一郎の逃亡 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)
(1997/07)
泡坂 妻夫

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長身で二枚目、行動は些か心許ないが、虫や雲を撮ることにかけては右に出る者のない実力派カメラマン、亜愛一郎。だが、彼の行くところ、必ず怪事件が勃発する。そして愛一郎が白眼をむいたときは、決まって事の真相を言い当てるのだ。快調の連作第3弾。愛一郎の行く先に必ず現れる不思議な人物の正体も、遂に解き明かされる時がきた。愛すべき名探偵、亜愛一郎最後の事件簿。


表題作のほか、「赤島砂上」 「球形の楽園」 「歯痛の思い出」 「双頭の蛸」 「飯鉢山山腹」 「赤の賛歌」 「火事酒屋」

あり得ないだろう、と思われる奇抜なトリックもなくはなかったが、ほとんどは正当なミステリである。ただ、主役の亜愛一郎を筆頭に、登場人物たちがいささか間が抜けているというか愛すべき人々なので、コメディのようにするすると読めてしまうのである。回文で遊んでみたり、登場人物の名前で遊んでみたりと、著者も愉しんでいるようである。
どこにでも登場する謎の人物・三角形の顔をした様相の老婦人は誰なのか、の謎も解け、亜愛一郎自身の素性も明らかにされる表題作は、いちばんありそうもないが、いちばんこのシリーズらしくもあるかもしれない。

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