川のある街--伊勢湾台風物語--*清水義範

  • 2010/01/22(金) 17:04:02

川のある街 伊勢湾台風物語川のある街 伊勢湾台風物語
(2009/11/12)
清水 義範

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名古屋市出身の作家・清水義範氏が伊勢湾台風の体験を基に書いた、中日新聞好評連載小説を単行本化。
名古屋市中心部を流れる堀川を主な舞台に、庶民の暮らし、伊勢湾台風との闘いを人間味あふれるタッチで描いています。主人公は小学4年生の丹羽正太、同級生伊藤良一とそれぞれの家族、担任教師池上玲子、消防署員猪飼真一ら街に暮らす人々。名古屋市出身の清水さんの体験が基になっているだけに、当時の生活感や価値観がたくみに著されています。名古屋弁がふんだんに用いられているほか、名古屋空襲、名古屋城再建の話も盛り込まれています。


名古屋出身の写真家・浅井慎平氏が、名古屋開府四百年を記念して映画を作る際、タイトル案を考えたことで、原作も、と乞われて書いたという経緯があるそうである。
現在の堀川をなんとか綺麗にしようと市役所の職員が地元の老人たちに助言を求める冒頭の場面から、昭和34年の伊勢湾台風の前後まで一気に時を遡り、通りぬけた台風の凄まじさと人の温もりを描いて、最後にまた元の場面に戻ったときには、言い知れぬ感慨に包まれた。街を愛する心、その街に住む人々を愛する心があたたかい一冊である。

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