殺人症候群*貫井徳郎

  • 2010/03/25(木) 13:47:21

殺人症候群 (双葉文庫)殺人症候群 (双葉文庫)
(2005/06)
貫井 徳郎

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警視庁内には、捜査課が表立って動けない事件を処理する特殊チームが存在した。そのリーダーである環敬吾は、部下の原田柾一郎、武藤隆、倉持真栄に、一見無関係と見える複数の殺人事件の繋がりを探るように命じる。「大切な人を殺した相手に復讐するのは悪か?」「この世の正義とは何か?」という大きなテーマと抜群のエンターテインメント性を融合させた怒涛のノンストップ1100枚。


症候群シリーズ、迂闊なことに読んでいなかったが、本作が三部作のラストストーリーのようである。
未成年者による犯罪とその処罰の正当性、被害者の無念とその後の人生のことなどを考えさせられる。正義とはなにか、必要悪はあるのか。被害者家族に代わって反省の様子のない加害者を殺めることを「悪」と思わない響子は、自らもまた未成年の犯罪の被害者だからだった。一方、看護婦の和子は、移植しか助かる手立てのない息子のために、ドナーとなり得る人物を事故に見せかけて殺している。この無関係に見えるふた筋の流れが、じわじわとひとつに撚り合わされ、一本になったとき、特殊チームの面々は、意外な事実を知ることになる。あるところでガラッと様相を変えた物語は、哀しく愚かしく、あまりにも報われない物語である。

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