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Another*綾辻行人

  • 2010/04/13(火) 19:08:55

AnotherAnother
(2009/10/30)
綾辻 行人

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その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた―。1998年、春。夜見山北中学に転校してきた榊原恒一(15歳)は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、いっそう謎は深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた!この“世界”ではいったい、何が起こっているのか?秘密を探るべく動きはじめた恒一を、さらなる謎と恐怖が待ち受ける…。


ホラーは正直言ってあまり得意ではないのだが、本作は、たくさん人が死ぬ割にはおどろおどろしさが少なく、舞台が夜見山という地方都市の公立中学校だということもあるだろうが、ある種爽やかな青春ドラマのようなのである。語り口も、いつもの著者とはひと味違っていて、軽いタッチで読み易い。
どこの学校にもあるだろう学校の七不思議とは、明らかに趣を異にする不穏な出来事が、新学期に机がひとつ足りない年には、夜見山中学三年三組で起こるのである。それは、ほんとうはいない誰かが紛れ込んでいるからだという。家庭の事情でひとり母方の祖父母の家に世話になり、中学三年の一年間を夜見山で過ごすことになった榊原恒一も、否応なく渦中に呑みこまれていくのである。病院で出会い、のちに同級生とわかった少女・見崎鳴(ミサキメイ)の不思議な雰囲気や、クラスメイトの腑に落ちない行動。そして著者によって仕掛けられた見事な罠。恒一の目線で、少しずつ明らかになる三年三組の秘密にドキドキしていたと思ったら、ある時急に現れた全貌は、想像もしていなかったものであり、一瞬にしてあれもこれもが腑に落ちたのだった。原稿用紙1000枚という長さをまったく感じさせない一冊だった。

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