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王妃の館 上下*浅田次郎

  • 2004/06/20(日) 08:27:54

☆☆☆☆・


 俺とカフェ・オ・レ。なーんちゃって。
 浅田次郎、ブッちぎりのお笑い人情巨編、ついに登場!

                           (帯より)

どんなドタバタ抱腹絶倒の展開が待ち受けているのかと お笑いモードにスイッチを切り替えて臨んだのだった。
たしかに 設定はこれ以上ないほどのドタバタ劇、しかもクサイ芝居なのである。舞台も登場人物も筋立ても__。

なのに 涙は 抱腹絶倒笑いの涙ではなかった。じんわりと何度も目の前をぼやけさせたのは 作者お得意の人情のすばらしさのせいだった。
コメディの究極はこれなのだと思う。馬鹿話で笑わせるだけではなく 人生の縮図をひとつの舞台に乗せ、笑いの裏にある涙を思わせること。
歴史の重みと舞台装置の壮大さも併せて味わえるのだから なんともお得な一冊である。

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