よろこびの歌*宮下奈都

  • 2010/05/07(金) 18:52:47

よろこびの歌よろこびの歌
(2009/10/17)
宮下 奈都

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御木元玲は著名なヴァイオリニストを母に持ち、声楽を志していたが、受かると思い込んでいた音大附属高校の受験に失敗、新設女子校の普通科に進む。挫折感から同級生との交わりを拒み、母親へのコンプレックスからも抜け出せない玲。しかし、校内合唱コンクールを機に、頑なだった玲の心に変化が生まれる――。あきらめ、孤独、嫉妬……見えない未来に惑う少女たちの願いが重なりあったときにあふれ出す希望の調べ。いま最も注目すべき作家が鮮烈に描く、青春小説の記念碑!


  do 12月1日 よろこびの歌――御木元玲
  re 12月22日 カレーうどん――原千夏
  mi 1月13日 No.1――中溝早希
  fa 1月27日 サンダーロード――牧野史香
  sol 2月19日 バームクーヘン――里中桂子
  la 2月26日 夏なんだな――佐々木ひかり
  si 3月4日 千年メダル――御木元玲


きっと読む者誰でもに自分の高校生時代を思い起こさせることだろう。というよりも、その時代の自分に帰っていくような心地にさせられることだろう。なぜかといえば、自分というものの存在意義とか、夢とか希望とか諦めとか、さまざまな思いに揺れ動く年代をすごす彼女たちの心情が、とても繊細に丁寧に描かれているからだろう。
ひとりひとりが何かを抱えて集まった2Bというクラスで、つかず離れずの関係をなんとなくつづける毎日に、風穴を開けたのは玲であり、またその玲の背中を押したのはクラスメイトたちだった。自らの内側だけをみつめてきた彼女たちが、他人の心の内側にも自分と似たものがあることに気づき、ほんとうのつながりを持てるようになったことが心底喜ばしかった。主人公は御木元玲だが、登場人物のだれもが主役の一冊である。

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