天使の屍*貫井徳郎

  • 2010/05/10(月) 13:43:13

天使の屍 (角川文庫)天使の屍 (角川文庫)
(2000/05)
貫井 徳郎

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思慮深かった中学二年の息子・優馬がマンションから飛び降り、自殺を遂げた。動機を見出せなかった父親の青木は、真相を追うべく、同級生たちに話を聞き始めるが…。“子供の論理”を身にまとい、決して本心を明かさない子供たち。そして、さらに同級生が一人、また一人とビルから身を投げた。「14歳」という年代特有の不可解な少年の世界と心理をあぶり出し、衝撃の真相へと読者を導く、気鋭による力作長編ミステリー。


中学二年生・14歳を扱った一冊。何かと問題になる年頃である。子どもたちには、大人の論理とはまったく別の「その年代特有の論理」があり、大人たちが自分の尺度で物事を捉えている限り、とても彼らを理解できるものではない、ということがよくわかり、うなずけもする。実際にこの物語のように踏み外す少年たちがどのくらいいるのかは見当もつかないが、仕掛けられた穴に落ちたあとの彼らの行動心理は、やはり大人からみれば信じられないと言うほかないものなのである。それでもこれが、彼らなりの論理に従った結果だとすれば、大人は愕然とするしかないのである。恐ろしい、とひとことで片づけてしまえない苦しさが胸に残る。

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