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竜の涙――ばんざい屋の夜*柴田よしき

  • 2010/06/08(火) 19:49:48

竜の涙 ばんざい屋の夜竜の涙 ばんざい屋の夜
(2010/02/09)
柴田 よしき

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東京丸の内、古びた雑居ビルの「ばんざい屋」に一人の男が訪ねてくる。
ばんざい屋と立ち退き交渉をするためだった。一等地にある古いビルは建て替えられることになっていた。ばんざい屋の女将・吉永は、立ち退くか、高額なテナント料を払い新しくなるビルにはいるか決断しかねていた。そんななか、常連客・進藤が女性の客を連れてきた。一見、洗練されたキャリアウーマン風、だが、疲れていた。その女性・川上有美が「竜の涙」という奇妙な言葉を発した。死んだ祖母が、これさえ飲めば、医者も薬もいらなかったという。客の誰もが不思議がるなかで、女将が推理した「竜の涙」の正体とは? そして、有美が心に秘めた想いとは?


表題作のほか、「霧のおりてゆくところ」 「気の弱い脅迫者」 「届かなかったもの」 「氷雨と大根」 「お願いクッキー」

京のおばんざい、というよりももはや女将のおばんざいと言ってもいいような気持ちの篭った料理の数々が並ぶ、ばんざい屋が舞台である。そして、女将の吉永が、常連客の話の中にでてくる引っかかりを彼女なりに解きほぐしてみせ、客たちをほっとさせるのである。禍々しい事件など一切起こらないが、いわゆる安楽椅子探偵物語といったところだろう。どうしても北森鴻氏の香菜里屋シリーズを思い出さずにはいられないが、本作も同じように店に集う人々をしあわせな心地にしてくれる。カウンターの端に客のひとりとして座り、おいしい料理に舌鼓を打ちながら、菊とはなしに女将とほかの客の話を聞いているような心地にさせてくれる一冊である。



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じゅずじの旦那
じゃじゃままブックレビュー

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【竜の涙 ばんざい屋の夜】 柴田よしき 著

こんなお店があったら・・・  まずは来訪記念にどうかひとつ!  人気blogランキング【あらすじ】東京・丸の内の片隅に、ぽつんと暖簾をかかげる小料理屋。少しさびしそうな美人女将の手料理をもとめて今宵もこころに疵を負った客が訪れる・・・って、前の本でもコメン...

  • From: じゅずじの旦那 |
  • 2010/06/16(水) 17:06:57

竜の涙-ばんざい屋の夜 柴田よしき著。

≪★★★≫ 「ふたたびの虹」の続編。 東京・丸の内、会社帰りのサラリーマンやOLたちが行きかう街に、そこにひっそりと「ばんざい屋」はある。 旬の食材を、その味を生かし、旬の食べ方をさせてくれる。 たった一人で、小さなお店だけど、料理を愛し、足を運んでくれる...

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2010/07/02(金) 11:02:21

この記事に対するコメント

最後まで謎のままだった、気になる相手のことなどもあり、続きはあるのだろうかと思わせぶりなところも、またうまいですね。どうでしょう、続きはあるのでしょうか?
あさのあつこさんと同じく、連載抱え過ぎの柴田さん、大丈夫だろうか?とは、
いらぬ心配でしょうか

  • 投稿者: チョロ
  • 2010/06/09(水) 07:00:40
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『ふたたびの虹』につづく、ばんざい屋二作目なので、きっとまだまだ構想はあるのでしょうね。
乞ういうほっとできるシリーズは、長くつづいて欲しいものです。
北森鴻さん亡きあとでは、ことに――。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2010/06/09(水) 10:21:33
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行ってみたい、食べたい!って思いますよね。疲れた心を、おいしい料理と、そっと耳を傾けてくれる女将が癒してくれそうで、いいな~って、常連さんのこと思いました。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2010/07/02(金) 11:04:35
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移転しても、ぜひ通いたい!と物語のなかのお店ながら思ってしまいました。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2010/07/02(金) 16:46:38
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