もう二度と食べたくないあまいもの*井上荒野

  • 2010/06/11(金) 18:09:33

もう二度と食べたくないあまいものもう二度と食べたくないあまいもの
(2010/04/10)
井上荒野

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気がつかないふりをしていた。もう愛していないこと。もう愛されていないこと。直木賞作家が美しくも儚い恋の終わりを描いた傑作。


「幽霊」 「手紙」 「奥さん」 「自伝」 「犬」 「金」 「朗読会」 「オークション」 「裸婦」 「古本」

恋の終わりにもさまざまあるものだと思わされる。夫婦の終わり、恋人の終わり、不倫の終わり。状況もさまざまである。どれも両者が同時にそうなるものではなく、どちらかが先に冷めるのである。ぎくしゃくした温度差がなんとも気詰まりでやるせない。気づいていても、気づかない振りをしていても、一度そうなってしまうと加速度的に終わりに向かって進むしかないのである。もう二度と恋なんかしない、と思いもするだろう。だが、もう二度と食べたくない、とそのときは思っていても、しばらく時がたてば求めてしまうのがあまいものである。この物語の登場人物たちも、きっとまたあまいものを求めるのだろうと思わされもする一冊なのだった。

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