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主よ、永遠の休息を*誉田哲也

  • 2010/06/19(土) 16:46:13

主よ、永遠の休息を主よ、永遠の休息を
(2010/03/20)
誉田 哲也

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通信社の東京支社社会部に勤務、池袋警察署の記者クラブに詰める鶴田吉郎。コンビニ強盗現場に居合わせて犯人逮捕をスクープし、店員芳賀桐江と知り合う。逮捕に協力して立ち去った男から、暴力団の事務所が襲撃された事件を知らないか、という奇妙な問い合わせが。襲撃の有無を調べる過程で吉郎は、14年前に起きた女児誘拐殺人事件の「犯行現場と思しき実録映像」がネット上で配信されていたことを突き止める。犯人は殺害を自供したが、精神鑑定によって無罪となり…。


通信社の若手記者・鶴田と、コンビニ店員の桐江が交互に語る形である。初めは単なるコンビニ店員と常連客だったのが、桐江がレジに立つときに起こったコンビニ強盗の現場に偶然鶴田が居合わせたことから、思わぬ方項に物語が動きはじめるのである。本人たちにもその時点ではまったく自覚がないままに、である。桐江が抱えるトラウマと、鶴田が追う事件との関連はかなり早い時点で想像でき、読者も真実に近づけるのだが、それはあくまでも近づいただけであって、真実はさらに想像を絶するおそましさであり、痛ましさである。桐江があまりにも哀しすぎる。胸が痛む一冊である。




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じゃじゃままブックレビュー

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主よ、永遠の休息を 誉田哲也著。

≪★★☆≫ 共有通信の記者鶴田吉郎は偶然コンビニ強盗に居合わせた。 芳賀桐江はバイト先のコンビニで強盗事件に遭ってしまった。 謎の協力者のおかげで犯人は確保できたものの、鶴田は、この協力者から暴力団の事務所が荒らされた情報を得る。 スクープのために取材を続…

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2010/08/21(土) 22:51:30

この記事に対するコメント

鶴田が稲垣満のビデオを見るときの葛藤と、読んだ後、私も同じように葛藤してしまいました。なんともいえない、やるせない物語でしたね。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2010/08/21(土) 22:54:02
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真相に近づくにつれて、どんどんやりきれなさが募る作品でした。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2010/08/22(日) 06:51:21
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