太陽のパスタ、豆のスープ*宮下奈都

  • 2010/06/23(水) 18:33:50

太陽のパスタ、豆のスープ太陽のパスタ、豆のスープ
(2010/01/26)
宮下 奈都

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暗闇をさまよう明日羽に、叔母のロッカさんは“リスト”を作るよう勧める。溺れる者が掴むワラのごとき、「漂流者のリスト」だという。明日羽は岸辺にたどり着けるのか?そこで、何を見つけるのか?ささやかだけれど、確かにそこでキラキラと輝いている、大切なもの。読めば世界が色づきはじめる…“宮下マジック”にハマる人続出中。


1 漂流者  2 引っ越し  3 鍋を買う  4 サルヴァトーレ  5 青空マーケット  6 ホットケーキにビール  7 お見舞い  8 ふりだしを越えて  9 不可能リスト  10 豆とピン  11 一切れのパン  最終章 今日のごはん


式場の予約も済ませ、仲人も依頼したあとで婚約を破棄された明日羽(あすわ)は、なにをする意欲もしない元気もなにもかもを失ってただずぶずぶと沈んでいた。そんなとき母の妹六花(ロッカ)に、ドリフターズリスト(漂流者のリスト)を作ることを薦められた。そして半ば以上自棄で、やりたいことをリストアップしてみたのだった。
あすわの葛藤が胸が痛くなるほどよくわかる。そしてその情けないほど打ちひしがれた姿に、読者は見守り応援せずにはいられなくなるのである。叔母のロッカさん、両親と兄、会社の同僚の郁ちゃん、そして幼なじみの京。周りの人たちのキャラクターもとてもいい。みな素晴らしいが、それぞれに屈託を抱えているのが伝わってきて共感を覚える。毎日ちゃんとごはんを作って食べること、そんなささやかなことがなによりも大切なのだと思わせてくれるあたたかな一冊だった。

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