枝付き干し葡萄とワイングラス*椰月美智子

  • 2010/07/20(火) 10:41:47

超短編を含む短編集 枝付き干し葡萄とワイングラス超短編を含む短編集 枝付き干し葡萄とワイングラス
(2008/10/21)
椰月 美智子

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結婚「してから」の男と女のある場面 「そもそも二人は、なんでもなかったのだ。」結婚後の男女の、すえた空気を巧みに描きだす、今もっとも注目の作家・椰月美智子の短編集。


表題作のほか「城址公園にて」 「風邪」 「夜のドライブ」 「たんぽぽ産科婦人科クリニック」 「プールサイド小景(仮)」 「七夕の夜」 「甘えび」 「おしぼり」「どじょう」

『みきわめ検定』が結婚前、本作は結婚後の男女のあれこれである。『みきわめ検定』が駆け引きだとするならば、こちらは憤りと諦めとでもいうところだろうか。不気味な不穏さこそ結婚前よりは薄れているものの、既婚者ならば我が身に思い当ることが必ずあるだろう胸の底のどす黒い澱を文字にされたようでいたたまれなくなる。だが、そこにしたたかさのようなものも見え隠れしていて、前向きなパワーさえ感じられるのが不思議である。
「甘えび」が夫の好物だと気づきながら鰯を買って帰ったところが著者らしくて好きだ。

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