荒野*桜庭一樹

  • 2010/07/30(金) 21:48:29

荒野荒野
(2008/05/28)
桜庭 一樹

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山野内荒野、十二歳。恋愛小説家の父と暮らす少女に、新しい家族がやってきた。“恋”とは、“好き”とは? 感動の直木賞受賞第一作。


  第一部
   一章  ハングリー・アートの子供
   二章  ぼくの小さな黒猫ちゃん
   終章  青年は荒野をめざす

  第二部
   一章  恋は女をこどもに、男を地下組織にする
   二章  勝ち猫、負け猫
   終章  青年の特権

  第三部
   一章  恋しらぬ猫のふり
   二章  つぎの花、ポン!
   終章  終わりなき出発


恋愛作家・山野内正慶の娘 荒野(こうや)、十二歳から十六歳の物語。中学生になったばかりの針金のような子どもが大人の女への道を歩みだす、怒涛のような四年間のあれこれである。自分のこと、作家であり蜻蛉のように漂う父と暮らす鎌倉の古い家。母亡きあとずっと面倒を見てくれている家政婦、離れの仕事場に出入りする女たち。入学式の朝、電車で出会った少年・神無月悠也。そしてクラスメイトの江里華と麻美。さまざまな人たちとの関係のなかで、自分をみつめ、見失い、追い越し追いつき、内と外のバランスを上手く取れずにゆらゆらしている荒野の目が見ているままが描かれていて、惹きこまれる。鎌倉という町の古くて新しく、地元でありながら観光地であるという少しだけふわふわとした雰囲気と相まって、独特の揺れと不安定さを含んだ一冊である。荒野をとおして、たくさんのものごとを見ることができたような気がする。

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