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ふたりの距離の概算*米澤穂信

  • 2010/08/17(火) 16:47:21

ふたりの距離の概算ふたりの距離の概算
(2010/06/26)
米澤 穂信

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春を迎え、奉太郎たち古典部に新入生・大日向友子が仮入部することに。だが彼女は本入部直前、急に辞めると告げてきた。入部締切日のマラソン大会で、奉太郎は長距離を走りながら新入生の心変わりの真相を推理する!


  序章  ただ走るには長すぎる
  一章  入部受付はこちら
  二章  友達は祝われなきゃいけない
  三章  とても素敵なお店
  四章  離した方が楽
  五章  ふたりの距離の概算
  終章  手はどこまでも伸びるはず


古典部シリーズ五作目である。が、気づけばどういうわけか古典部シリーズはまったく読んでいないのだった。(さっそく一作目から予約を入れた。)
タイトルにあるふたりの距離のふたりとは誰と誰なのだろう、と思ってみるが、あるときは奉太郎と伊原の距離であり、あるときは奉太郎と千反田の距離であり、そしてまた奉太郎と大日向さんの距離でもある。それはまさしく星ヶ谷杯という名のマラソン大会におけるそれぞれふたりの距離なのだが、また本入部せずに去った新入部員大日向さんと千反田――せ広義には古典部員たち――との心の距離でもあるように思う。あちこちに散らばるヒントと探偵役としての奉太郎の観察眼が興味深い。そして、古典部員たちの距離感もまた興味深い一冊である。

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