遠くの声に耳を澄ませて*宮下奈都

  • 2010/08/19(木) 18:20:32

遠くの声に耳を澄ませて遠くの声に耳を澄ませて
(2009/03)
宮下 奈都

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くすんでいた毎日が、少し色づいて回りはじめる。錆びついた缶の中に、おじいちゃんの宝物を見つけた。幼馴染の結婚式の日、泥だらけの道を走った。大好きな、ただひとりの人と、別れた。ただ、それだけのことなのに。看護婦、OL、大学生、母親。普通の人たちがひっそりと語りだす、ささやかだけど特別な物語。


「アンデスの声」 「転がる小石」 「どこにでも猫がいる」 「秋の転校生」 「うなぎを追いかけた男」 「部屋から始まった」 「初めての雪」 「足の速いおじさん」 「クックブックの五日間」 「ミルクティー」 「白い足袋」 「夕焼けの犬」

前作に登場した誰かが次作の片隅でその物語のなかの誰かと繋がっているという、ゆるゆるとした連作短編集である。そのさりげなさが一冊全体としての雰囲気をかえってとても濃密なものにしている。それぞれの物語もことさら劇的だったり華々しかったりすることなく、それぞれの主人公の目線で淡々と語られているのに好感が持てる。タイトルのとおり、耳を澄ませてなにかを聞き取ろうとするように文字を追う心地の一冊だった。

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