学園のパーシモン*井上荒野

  • 2010/09/02(木) 18:55:46

学園のパーシモン学園のパーシモン
(2007/01)
井上 荒野

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赤い手紙がうちの学園で流行っているんだ。届くと別世界へいけるというんだけど―。真衣・木綿子・恭・磯貝―三人の生徒とひとりの教師。彼らは、倦怠し、愛し合い、傷つけあう。


良家の子女が通う学園。そこでは学園長先生はひとりひとりの象徴のような存在なのだった。そんな学園長先生の病がどんどん重くなっているらしい、という噂が学園の雰囲気を心なしか重く不安定にする。そういう雰囲気を背景にして思春期の学園生たちの日々は流れている。この年代に特有の揺らぎや寄る辺なさがさまざまな形となって表に裏にあらわれ、胸に楔を打ち込むさまがとてもよく描かれている。半透明の膜を隔てて世界を見ているようなもどかしさが伝わってくる一冊である。

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