ひそやかな花園*角田光代

  • 2010/09/12(日) 08:17:13

ひそやかな花園ひそやかな花園
(2010/07/24)
角田 光代

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幼い頃、毎年サマーキャンプで一緒に過ごしていた7人。
輝く夏の思い出は誰にとっても大切な記憶だった。
しかし、いつしか彼らは疑問を抱くようになる。
「あの集まりはいったい何だったのか?」
別々の人生を歩んでいた彼らに、突如突きつけられた衝撃の事実。
大人たちの〈秘密〉を知った彼らは、自分という森を彷徨い始める――。

親と子、夫婦、家族でいることの意味を根源から問いかける、
角田光代の新たな代表作誕生。


プロローグの紗有美の独白ですでに心は全面的に物語に持っていかれる。「知りたい」という切実な思い――怖いもの見たさと言ってもいいかもしれない――がページを捲る手を急がせる。サマーキャンプが愉しそうに見えるほど隠されているものの不穏さが際立ち、親たちの態度の不自然さが不安を煽る。七人の子どもたちの親たちがさまざまな事情で下した決断が、それゆえに存在する子どもたちの心に与えたものもさまざまであるが、衝撃的であることは間違いない。自分という存在を安心感を持って認めることができるかどうかは、その後の人生に大きな影響を及ぼすのだと思う。ぬぐいきれない不安を抱えながらもなにかを乗り越えつつある彼らのこれからを、そっと見守りたくなる一冊である。

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