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トリアングル*俵万智

  • 2004/07/12(月) 12:52:38

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年上の妻子のある男性 Mと不倫関係を続けながら 7歳年下の彼 圭ちゃんとも関係を持つ33歳の女、薫里が語る自分の話。

 Mか圭ちゃんか――と、美佳は言うけれど、
 そもそも彼らは、椅子取りゲームをしているわけではない。
 椅子は二つあるのだ。
 しかも、だいぶ離れたところに、種類の違う椅子が。
 ついでに言えば、Mの妻と私も、
 椅子取りゲームの参加者ではないだろう。
 やはり、違う場所にある二つの椅子に、
 それぞれがおさまっているのだと思う。



ゴシップには物凄く疎いので 俵万智さんが出産されたことさえ つい先日の新聞で知ったくらいなので、この作品についてのさまざまな噂を詳しくは知らない。だから 純粋に小説として読んでみることにして読み始めた。しかし、無性に腹が立って仕方がない。薫里はあまりにも私と異なる価値観の上に立ち過ぎていて 嫌悪感しか湧いてこない。薫里の8年越しの不倫相手であるM氏の人格も疑いたくなる。

物語の合間合間に挟まれた短歌は もちろん俵万智作品である。既に読んだことのあるものもずいぶんあった。この小説はあくまでも小説であってノンフィクションではないということらしいのだが そうすると 挟み込まれた歌はどういうことになるのだろうか。
フィクションとノンフィクションを混同されては著者にとっていい迷惑だろうことは充分承知しているが 百歩譲ったとしても 私には生理的に受け容れられない一冊である。

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