贖罪*湊かなえ

  • 2010/11/30(火) 18:46:55

贖罪 (ミステリ・フロンティア)贖罪 (ミステリ・フロンティア)
(2009/06/11)
湊 かなえ

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取り柄と言えるのはきれいな空気、夕方六時には「グリーンスリーブス」のメロディ。そんな穏やかな田舎町で起きた、惨たらしい美少女殺害事件。犯人と目される男の顔をどうしても思い出せない四人の少女たちに投げつけられた激情の言葉が、彼女たちの運命を大きく狂わせることになる―これで約束は、果たせたことになるのでしょうか?衝撃のベストセラー『告白』の著者が、悲劇の連鎖の中で「罪」と「贖罪」の意味を問う、迫真の連作ミステリ。本屋大賞受賞後第一作。


フランス人形 PTA臨時総会 くまの兄妹 とつきとおか 償い 終章


空気が綺麗な田舎町しか知らない四人の少女と都会からやってきた裕福な一人の少女。一緒に遊んでいるときに、その一人の少女だけが作業服姿の見知らぬ男に殺された。少女のひとりの知らせを受けた母はこれ以上ないほど取り乱し、娘の亡骸を抱きしめて泣き叫んだ。そして、殺されなかった少女たちもそれぞれに心に深い傷を負ったのだった。それに追い討ちをかけるように殺された少女の母に突きつけられた言葉に、彼女たちの人生はがんじがらめにされていく。
直接関係のない人々にとっては流れる日々のほんのひと駒であることが、当事者にとってどれほどの重みを持つものかということが、やりきれなさと共に実感される。結果的には、終章で語られる「わたしの人生ってなんだったんだろう」というひと言が事件の性質をよく著していると思う。なぜ彼女たちは巻き込まれなければならなかったのだろう、ほんとうに償うべきはだれだったのだろう、と。身勝手ということを思わされる一冊でもある。

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