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誘拐の誤差*戸梶圭太

  • 2010/12/25(土) 08:51:00

誘拐の誤差誘拐の誤差
(2006/11)
戸梶 圭太

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礼乎(れお・10歳)が学校から帰ってこないんです。母親からの届けを受け、警察が捜査を開始した。1週間後、悲しくも礼乎が死体となって発見された直後、犯人から礼乎の身代金を要求する連絡が入る。困惑する警察。犯人の動機・目的は不明。捜査陣の足並みは乱れ、捜査は難航する。


本格警察小説と謳われているが、そこから想像する物語とはいささか趣は異なっている。まず語り手が、殺された礼乎(れお)のユーレイなのである。彼がユーレイである特性を駆使し、警察官や事件関係者のところへ瞬間移動し、捜査状況や行動を観察し、頭の中の思考まで読み取っているのである。真面目な顔で捜査会議に出ている警察官の頭の中にまったく別のくだらないことがあふれていたり、自分のことしか考えないろくでもない真犯人の頭の中が丸見えだったりするのである。こんなことがあっていいのか!というような信じられないことが次々と見えてくるのだが、もしかすると現実のほうがもっと凄まじいのかもしれないと思ってしまったのが哀しくもある。因果応報ということでもあるのかもしれないが、やりきれなさ過ぎてげんなりする一冊である。

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