綺想宮殺人事件*芦辺拓

  • 2011/01/05(水) 17:17:44

綺想宮殺人事件綺想宮殺人事件
(2010/04/28)
芦辺 拓

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琵琶湖畔にそびえる壮麗な怪建築群―“綺想宮”を訪れた名探偵・森江春策を待ち受けていたのは、美しき案内人・二十重亜綺楽と七人の奇怪な滞在客だった。この不可思議な宮殿に森江が到着した晩、自動的に詩をつむぐ機械「大発見」が火精、水精、風精、土精の呪文を歌い上げた。翌日から、天地創造の七日間を表わす曲が奏でられる中、滞在客は次々謎の死をとげてゆく。暗室で発見された五芒星の上の焼死体、毒草園に描かれた九芒星と地中に埋められた死体…それぞれの死体に過剰なまでに凝らされた「見立て」は何を意味するものか?本格ミステリを愛し、その神髄を知り抜いた著者が「探偵小説の最期」に捧ぐ訣別の書。


むむむ、と唸りたくなる一冊である。本編の出だしの数ページは、ルビの文字数のほうが本文の文字数よりも多いのではないかというくらいルビが振られており、最後まで読みとおせるかと先が思いやられる心地だったが、不可思議な館・綺想宮で次々に起こるこれまた不可思議な殺人事件に呑み込まれるように読み進むことができた。というよりも、綺想宮の摩訶不思議さとそこに招かれた客人たちの風変わりさ、そして探偵役の刑事弁護士・森江春策のそれぞれの事件にかかわるもっともらしい薀蓄に取り込まれた、と言ってもいいかもしれない。まるで異世界に紛れ込んでしまったようなある意味めくるめく一冊である。

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