地のはてから 上*乃南アサ

  • 2011/01/12(水) 18:36:41

地のはてから(上) (100周年書き下ろし)地のはてから(上) (100周年書き下ろし)
(2010/11/16)
乃南 アサ

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物心ついたとき、少女はここで暮らしていた。アイヌ語で、「地のはて」を意味するというこの土地で。おがちゃの背中と、あんにゃの手に、必死にしがみつくようにして。北海道知床で生きた女性の生涯を、丹念に描き、深い感動を呼び起こす。構想十年―書き下ろし長編小説。


大正時代末期、新しいものに飛びつき目先のことしか考えずに行動する父が、東京で株に失敗して大金を失い、夜逃げ同然に北海道開拓団に加わって地のはてにやってきたと一家。そのときわずか二歳だったとわは、物心ついたときにはすでに並々ならぬ苦労の日々であった。まさに文字通りの地のはてで、命の危機と隣り合わせの容易ならざる状況を強いられた開拓移民たちの状況には胸が痛んだ。そして、ほかの暮らしを知らないので惨めとも思わず自分にできることで母を助けて日々を過ごすとわの姿は、健気で愛おしく胸を熱くさせるのだった。
その後境遇が変わり小樽に子守奉公に出されたとわだったが、大正から昭和へと時代が変わり、世間がきな臭くなってきたところで上巻は終わっている。とわにはなんとしてもしあわせになって欲しいと切実に願うが、下巻ではなにが待ち受けているのだろう。早く読みたい。

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