白いしるし*西加奈子

  • 2011/01/16(日) 16:47:31

白いしるし白いしるし
(2010/12)
西 加奈子

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失恋ばかりの、私の体。私は彼のことが、本当に、好きだった。32歳。気づいたら、恋に落ちていた。軽い気持ちだった、知らなかった、奪えると思った。なのに、彼と関係を持ってから、私は笑えなくなった。恋は終わる。でも、想いは輝く。極上の失恋小説。


そうか、失恋小説だったのか、と上記内容紹介を読んで改めて思った。そういえば、主人公の夏目だけでなく、友人の瀬田も彼の周りの女たちも失恋していた。だが、失恋するにはまず恋をしなければならない。これは抗いようもなく恋に落ちる物語でもあるのだ。近づいてはいけないいけないと身の内から発せられる警告に慄きながらも、互いに持ち合った磁石のように吸い寄せられていってしまう。そんな瞬間の強烈なパワーも感じられるのである。それが幸福なことかどうかは別にして。間島の白く発光するような絵に一瞬にして魅せられた夏目香織のそれからの時間は、彼女にとってなくてはならない時間だったのだように思える。不器用でまっすぐな心の一冊である。

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