Nのために*湊かなえ

  • 2011/03/05(土) 07:24:26

NのためにNのために
(2010/01/27)
湊 かなえ

商品詳細を見る

「N」と出会う時、悲劇は起こる―。大学一年生の秋、杉下希美は運命的な出会いをする。台風による床上浸水がきっかけで、同じアパートの安藤望・西崎真人と親しくなったのだ。努力家の安藤と、小説家志望の西崎。それぞれにトラウマと屈折があり、夢を抱く三人は、やがてある計画に手を染めた。すべては「N」のために―。タワーマンションで起きた悲劇的な殺人事件。そして、その真実をモノローグ形式で抒情的に解き明かす、著者渾身の連作長編。『告白』『少女』『贖罪』に続く、新たなるステージ。


冒頭に描かれている事件を読んだ段階では、単なる痴情のもつれが引き起こした事件のようであったのが、読み進むにつれてどんどん様相を変えていくのに驚かされる。目に見える事実と真実が必ずしも一致しないということを再認識させられもする。登場人物たちの隠したい欲求と読者の知りたい欲求とのせめぎあいのような読書であった。心の最奥に抱えるものの深さと昏さを見せられた一冊だった。

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する