小暮荘物語*三浦しをん

  • 2011/03/15(火) 16:58:10

木暮荘物語木暮荘物語
(2010/10/29)
三浦しをん

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小田急線・世田谷代田駅から徒歩五分、築ウン十年、安普請極まりない全六室のぼろアパート・木暮荘。現在の住人は四人。一階には、死ぬ前のセックスを果たすために恋を求める老大家・木暮と、ある事情から刹那的な恋にのめり込む女子大生・光子。二階には、光子の日常を覗くことに生き甲斐を見いだすサラリーマン・神崎と、3年前に突然姿を消した恋人を想いながらも半年前に別の男性からの愛を受け入れた繭。その周りには、夫の浮気に悩む花屋の女主人・佐伯や、かつて犯した罪にとらわれつづけるトリマー・美禰、繭を見守る謎の美女・ニジコたちが。一見平穏に見える木暮荘の日常。しかし、一旦「愛」を求めたとき、それぞれが抱える懊悩が痛烈な哀しみとしてにじみ出す。それを和らげ、癒すのは、安普請であるがゆえに感じられる人のぬくもりと、ぼろアパートだからこそ生まれる他人との繋がりだった……。


「シンプリーヘブン」 「心身」 「柱の実り」 「黒い飲み物」 「穴」 「ピース」 「嘘の味」

おんぼろアパート木暮荘とその住人をめぐる七つの連作物語。
薄っぺらい壁一枚で隔てられた木暮荘の住人たちの生活音――要するに艶っぽい声とかテレビの音などである――からほかの住人のことを思う人がいたり、まったく無関心だったのにある日大家の爺さんと親しく話す人がいたり、悩みを抱えながらも恋人と過ごす人がいたり、ごく普通の人たちの物語なのだが、木暮荘という場所ゆえにつながる何かがあるようにも思えてくる。住人たちとそれぞれの周りの人々とのかかわりがまたなんともいえない味わいを醸しだしている。木暮荘の前までいって覗き込んでみたくなる一冊である。

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