たぶらかし*安田依央

  • 2011/03/20(日) 16:58:41

たぶらかしたぶらかし
(2011/02/04)
安田 依央

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39歳のマキは、市井の人々の中で、誰かの「代役」を演ずる役者。ワケあり葬儀での死体役、多忙なセレブ社長の子息の母親役、夫の親戚との付き合いを厭う新妻役など、役柄は多岐にわたる。依頼人たちの身勝手さに苛立ちながらも、プロとして淡々と仕事をこなす日々。ある日、ニセの依頼をしてきた謎の男・モンゾウに、無理やり弟子入りされて…。第23回小説すばる新人賞受賞作。


依頼者のその場しのぎの身勝手さには苛々させられるが、代役請負会社・OR社の面々――全容を窺い知ることはできないが――の仕事に際するプロ根性は感嘆するところである。主人公・マキの役者ぶりと、これでいいのかと常に煩悶する姿も生々しく、だからこそ好感が持てる。気持ちの深いところにじわりと働きかけてくるような一冊である。

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