ピエタ*大島真寿美

  • 2011/03/30(水) 13:42:12

ピエタピエタ
(2011/02/09)
大島真寿美

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18世紀、爛熟の時を迎えた水の都ヴェネツィア。『四季』の作曲家ヴィヴァルディは、孤児たちを養育するピエタ慈善院で“合奏・合唱の娘たち”を指導していた。ある日、教え子のエミーリアのもとに、恩師の訃報が届く。一枚の楽譜の謎に導かれ、物語の扉が開かれる―聖と俗、生と死、男と女、真実と虚構、絶望と希望、名声と孤独…あらゆる対比がたくみに溶け合った、“調和の霊感”。今最も注目すべき書き手が、史実を基に豊かに紡ぎだした傑作長編。


あっというまにいまいる場所から連れ去られ、18世紀のヴェネツィアに迷い込んだような心地の読書であった。理由はさまざまだろうが、一様に親に捨てられた子どもたちが暮らすピエタ慈善院の音楽に囲まれて愉しげでありながら深い悲しみがひたひたと流れているような空気が印象的である。そして、アントニオ・ヴィヴァルディを師と仰ぐかつての少女たちにその訃報がもたらされたとき、ピエタの娘・エミーリアを語り手として物語は謎を秘めて動き出したのだった。現代日本では考えられない力関係やつながりに思わぬ助けを借りて、点在していた要素がつながっていく様子に不思議なわくわく感を煽られる。時代も場所も超えて旅をするような一冊である。




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じゃじゃままブックレビュー

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ピエタ 大島真寿美著。

≪★★★≫ 有名な作曲家、ヴィヴァルディとその愛弟子であったアンナ・マリーアとエミーリア。 物語はヴィヴァルディの訃報から始まり、彼女たちが育ったピエタ慈善院とヴィヴァルディの繋がり、ある楽譜を探しているうちにエミーリアはヴィヴァルディの隠された過去へと…

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2011/09/07(水) 22:48:19

この記事に対するコメント

ふらっとさんの仰るとおり、ピエタで過ごした時間が愉しげでありながらもその背景を思うとき、それぞれの悲しみが流れてましたね。
クラウディアを献身的に看護するエミーリア、ジーナ、そしてヴェロニカ、強い心の繋がりを感じましたね。
大島さんにしては珍しい題材なのに、やっぱり大島さんらしい柔らかい物語だなって思いました。

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2011/09/07(水) 22:53:36
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読みはじめは題材に関する不安もちょっぴり感じましたけれど
あっという間に大島さんの世界になりましたね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2011/09/08(木) 07:52:48
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