純平、考え直せ*奥田英朗

  • 2011/04/21(木) 11:47:08

純平、考え直せ純平、考え直せ
(2011/01/20)
奥田 英朗

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坂本純平、21歳。新宿・歌舞伎町のチンピラにして人気者。心酔する気風のいい兄貴分の命令は何でも聞くし、しゃべり方の真似もする。女は苦手だが、困っている人はほうっておけない。そんな純平が組長から受けた指令、それは鉄砲玉(暗殺)。決行までの三日間、純平は自由時間を与えられ、羽を伸ばし、様々な人びとと出会う。その間、ふらちなことに、ネット掲示版では純平ネタで盛り上がる連中が…。約一年半ぶりの滑稽で哀しい最新作。


不遇な生い立ちのせいにして極道の道を歩くことになった純平、21歳。生きる目的などなにもない。せめてこの道で名をあげてやりたいものだ。そう考えていたところに組長から直に声がかかり、鉄砲玉として働くことになる。ついては、三日間最後の娑婆を愉しんでこい、ということで小遣いを与えられしばし自由の身になった純平だった。三日の間に鉄砲玉としての下見や準備をしながら、歌舞伎町のたくさんの人たちと改めて出会うのを感じる純平だったが、出会いはそれだけではなかった。たまたま拾った女・カオリが純平のことを書き込んだ掲示板では、純平をネタに勝手にさまざまに盛り上がっていたのである。そんなネットの彼らが大挙して純平を止めに来る展開になるのか、と思いきや、ネットの盛り上がりは所詮ネット上だけであり、純平の日常にかかわってくることはなかった。これもまたリアルでいい。ラストのあとのことは読者の想像に任された格好になっているが、真実を知りたいような知りたくないような心地である。純平の思いが報われた方がいいのか報われない方がいいのか、悩ましいが面白い一冊である。



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じゃじゃままブックレビュー

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純平、考え直せ 奥田英朗著。

≪★★☆≫ 組の盃をもらったまだ二年の純平は、ヤクザにしてはイマイチ詰めの甘い性格なのか、歌舞伎町では女たちに可愛がられてしまう。 兄貴分の北島に心酔していて、早く北島のようなヤクザになりたいと願ってるが、往々にしてそういうタイプが多いように、傍から見る…

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2011/09/07(水) 22:40:41

この記事に対するコメント

奥田さんらしいノリの作品でしたが、どうもイマイチ楽しみきれなかった気分でした。
結局純平は兄貴に利用されたのか、って思うと不憫な気もしますけど、どこか抜けてるから帰ってきても居場所ないような気もして、ますます不憫に・・・。
襲撃が失敗で終わって欲しい。(爆)

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2011/09/07(水) 22:45:47
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ラストのその後、気になりますよね。
失敗しても成功しても切ないけれど。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2011/09/08(木) 06:27:52
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