花桃実桃*中島京子

  • 2011/04/29(金) 16:56:30

花桃実桃花桃実桃
(2011/02)
中島 京子

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40代シングル女子まさかの転機に直面す。昭和の香り漂うアパートでへんてこな住人に面食らい来し方をふり返っては赤面。行く末を案ずればきりもなし…ほのぼの笑えてどこか懐かしい直木賞作家の最新小説。


幽霊でも出そうな――実際に出るという話も――おんぼろアパートを残し、ほとんど行き来がなかった父が逝った。仕事でもちょうど転機に差しかかったこともあり、花村茜はアパートの一室を改装して住み込みの管理人になることにしたのだった。どうやら父の愛人だった様子の老婦人や整形オタクの女性、にぎやかな父子家庭、根暗なウクレレ弾きの青年、探偵を名乗るハンチングの男、クロアチア人夫婦、そして管理を任せていた太陽不動産の親父や元同級生のバーテンダーなど。一癖も二癖もある人びとと否応なくかかわることで、茜自身に見えてくることもあるのだった。それぞれのキャラクターがまず面白い。これだけ濃い人たちがよくぞ集まったものだという気もするが、存外その辺にいそうなキャラなのかもしれない。ラストはちょっぴりじんとさせられ、あしたもいい日になるかもしれない、という希望を抱かせてもくれる。じわじわと味わい深い一冊である。

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