ちなつのハワイ*大島真寿美

  • 2011/05/05(木) 17:25:05

ちなつのハワイちなつのハワイ
(2004/07)
大島 真寿美

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せっかく家族でハワイに来たのに、兄は機嫌が悪いし、両親はケンカばかり。うんざりするちなつの前に、なぜか日本にいるはずのおばあちゃんが現れた。一緒に家族の絆を取り戻そうとするのだが----。うまくいかない現実も、ささくれだった心も、ハワイはやさしく包み込み、解き放ってくれる。家族の再生、かけがえのない存在との別れを通して、しなやかに成長する少女の物語。


喧嘩ばかりの両親が半ばやけくそのように決めて夏休みに家族でやってきたハワイ。出発するときから気分はどんよりである。ハワイに着いても懸命に愉しさを装うばかりで心底愉しめない。挿絵のハワイの空の明るさも海の広さもゆったりした雰囲気もむなしいばかりである。どうなるのだろうと読者が心配になるころ、おばあちゃん――ちなつにしか見えない――が現れいろんな話をしてくれて心強さを感じるのだった。と同時に、管沢(地名)にいるはずのおばあちゃんがこうしてハワイにいるということは…、ちなつにもうすうす想像がついているのだった。目に見えないおばあちゃんの気配がそうさせたのか、両親の気持ちも次第に和んでいくのだった。家族の中でいちばんちいさいちなつが気を揉んで心配で心をいっぱいにしている姿がいじらしくてたまらない。次に家族でハワイにやってくるときには目いっぱい明るくゆるゆるな雰囲気を愉しめるといいな、と思わされる一冊である。きっと大丈夫だろう。

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