県庁おもてなし課*有川浩

  • 2011/05/08(日) 20:56:20

県庁おもてなし課県庁おもてなし課
(2011/03/29)
有川 浩

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地方には、光がある―物語が元気にする、町、人、恋。とある県庁に突如生まれた新部署“おもてなし課”。観光立県を目指すべく、若手職員の掛水は、振興企画の一環として、地元出身の人気作家に観光特使就任を打診するが…。「バカか、あんたらは」。いきなり浴びせかけられる言葉に掛水は思い悩む―いったい何がダメなんだ!?掛水とおもてなし課の、地方活性化にかける苦しくも輝かしい日々が始まった。


著者ご自身の体験がネタ元になっているらしい物語なのである。観光特使を依頼され、引き受けたにもかかわらず、ひと月以上もなんの進展も連絡さえもなく、話が流れたのかと思って問い合わせれば、特使名詞の印刷も、デザインすらもまだこれからだというグダグダのお役所体質に半ばあきれたのと、「おもてなし課」というネーミングセンスに興味を持ったのが本作が生まれるきっかけだそうである。
高知県庁おもてなし課の職員・掛水と多紀ちゃんは、自転車置き場での出会いの時点でほとんど展開が読めてしまうが、それはそれでアリである。掛水の煮え切らなさにじりじりと気を揉ませられるのもまた一興である。今回は、吉門と佐和というもう一組のじりじりにもつきあうことになるのだが。物語の本筋は、町起こしならぬ県起こしであり、お役所体質丸出しでグダグダだった出だしから、吉門や清遠の啓発によって実践力をつけてくるおもてなし課の面々の姿が清々しい。中でも掛水の上司・下元課長が地味ながらいい味を出していてグッとくる。おもてなし課主導ではじまった観光事業自体にはまだなんの目途もついていないが、目的意識がはっきりしたおもてなし課の面々を見ていると、未来はきっと明るいと思える。興味深い一冊だった。




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じゃじゃままブックレビュー

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県庁おもてなし課 有川浩著。

≪★★★★≫ 高知県庁観光部に「おもてなし課」が発足した。 独創性も積極性もない、いかにも公務員な県庁職員たちが、高知県出身の作家、吉門喬介と、県庁伝説の男、清遠と出会い、高知県まるごとレジャーランド化構想を立ち上げ、奔走する。 果たして実現できるのか。 …

  • From: じゃじゃままブックレビュー |
  • 2011/07/08(金) 23:28:14

この記事に対するコメント

すごく面白かったですよね。
清遠登場してからがぐぐっと引き込まれて。
自分も職員になったかのような気分でプレゼン聞いてたし。(笑)でも読みながら、私も吉門や清遠の質問に答えられず、県庁職員と同じような発想してたので、斬新なアイデアとか・・・そういうのなさそうです。(爆)

佐和との恋は胸キュンものでした。(笑)

  • 投稿者: じゃじゃまま
  • 2011/07/08(金) 23:32:47
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どんな体験も無駄にはしない作家魂を見せられた一冊でした。
ほんとうに面白かったですね。
現実にはなかなか清遠のような人は現れてくれないのでしょうけれど。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2011/07/09(土) 06:22:50
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