ヤングアダルト パパ*山本幸久

  • 2011/06/03(金) 17:14:33

ヤングアダルト パパヤングアダルト パパ
(2010/04/29)
山本 幸久

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夏休みもあと数日。中学2年生の静男は、生後5ヶ月の赤ん坊を負ぶり保育所を探していた。10以上年の離れた花音と恋をして、優作が生まれた。しかし彼女は幼い父子を残し、消えてしまったのだ。もうすぐ二学期が始まる。急がなきゃ。しかし、中学生の保育所探しはどこからも相手にされない。途方に暮れながらそれでも、静男は優作を守ろうとするのだが…。14歳の父、5ヶ月の息子、幼い父子の、家族物語。


タイトルからも若い父親の物語だということは判るが、あまりにも若い、若すぎる。中学二年、十四歳の父親・静男と五ヶ月の赤ちゃん・優作の物語なのだった。しかも母親は、留守勝ちの父が家政婦の代わりとして連れてきた十歳以上年上の女性であり、三週間前に出て行ったきりなのである。どう考えても設定はむちゃくちゃなのだが、さほど違和感を覚えずに入り込めるのはなぜだろう。静男の優作に向ける無条件の愛あるまなざし故かもしれない。そして責任感。両親と自分という家族関係に恵まれなかった静男の家族が離れ離れになるのは嫌だという強い思いが、周囲や読者を応援したい気持ちにさせるのだろう。現実的ではないが穏やかさと信頼にあふれた一冊である。

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よかったですねぇ、この健気なさ
山本さんの優しさがストレートに出た作品でした
老成した中学生が小説の中ではよく出てくる(作者がオトナだから?)のですが
幼さが微妙に残っていて、うまいなぁと感じました

  • 投稿者: チョロ
  • 2011/06/04(土) 05:37:00
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この設定だととかくスキャンダラスになりがちだけれど
それとはまったく違う方に向かった物語でした。
こんな突飛な状況が無理なく描かれていて、しかも愛にあふれているなんて
ほんとうに山本さんらしいですね。

  • 投稿者: ふらっと
  • 2011/06/04(土) 06:55:24
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