ばんば憑き*宮部みゆき

  • 2011/06/16(木) 14:35:09

ばんば憑きばんば憑き
(2011/03/01)
宮部 みゆき

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湯治旅の帰途、若夫婦が雨で足止めになった老女との相部屋を引き受けた。不機嫌な若妻をよそに、世話を焼く婿養子の夫に老女が語り出したのは、五十年前の忌まわしい出来事だった…。表題作「ばんば憑き」のほか、『日暮らし』の政五郎親分とおでこが謎を解き明かす「お文の影」、『あんじゅう』の青野利一郎と悪童三人組が奮闘する「討債鬼」など、宮部みゆきの江戸物を縦断する傑作全六編。


表題作のほか、「坊主の壺」 「お文の影」 「博打眼」 「討債鬼」 「野鎚の墓」

「ばんば」とは、強い恨みの念を抱いた亡者のことだそうである。どの物語もおぞましく恐ろしく足元から寒気が這い上がってくるような物語であるが、登場する江戸の人たちの暮らし向きや関わり方が慎ましいがあたたかくてほっとさせられる。見知った顔が活躍しているのを見るのもまた嬉しいものである。おぞましく惨い妖しであるが、その実を知れば哀しみにあふれていて哀れでもある。人の昏く哀しい心の溜まり場になってしまった怪異なものを問答無用に退治するだけではないのが人間らしくて救われもする。著者らしい一冊である。

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