神様のカルテ2*夏川草介

  • 2011/06/30(木) 11:11:49

神様のカルテ 2神様のカルテ 2
(2010/09/28)
夏川 草介

商品詳細を見る

医師の話ではない。人間の話をしているのだ。

栗原一止は夏目漱石を敬愛し、信州の「24時間、365日対応」の本庄病院で働く内科医である。写真家の妻・ハルの献身的な支えや、頼りになる同僚、下宿先「御嶽荘」の愉快な住人たちに力をもらい、日々を乗り切っている。
そんな一止に、母校の医局からの誘いがかかる。医師が慢性的に不足しているこの病院で一人でも多くの患者と向き合うか、母校・信濃大学の大学病院で最先端の医療を学ぶか。一止が選択したのは、本庄病院での続投だった(『神様のカルテ』)。新年度、本庄病院の内科病棟に新任の医師・進藤辰也が東京の病院から着任してきた。彼は一止、そして外科の砂山次郎と信濃大学の同窓であった。かつて“医学部の良心"と呼ばれた進藤の加入を喜ぶ一止に対し、砂山は微妙な反応をする。赴任直後の期待とは裏腹に、進藤の医師としての行動は、かつてのその姿からは想像もできないものだった。
そんななか、本庄病院に激震が走る。


シリーズ一作目では若いに似合わずなんと古めかしい、と思わされたイチ先生のもの言いにもすっかり慣れ、もうこれ以外考えられないほどキャラクターと馴染んでしまっている。そして、前作以上に医師というよりも人間の物語になっている。患者との、病院スタッフとの、先輩医師との、同僚との、朋友との、妻との、アパートの住人との、どこの誰との関係をとってもそこには人間栗原一止がいるのである。それが読んでいてとても心地好く、安心させられる。どれほど身を削るように忙しい中でも大切なひとつのことを忘れずにいるかぎり人は心豊かに生きていけるのだと教えられるような気がする。いつまでもこの世界に身をおいていたいと思わされる一冊である。

この記事に対するトラックバック

この記事のトラックバックURL

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事に対するコメント

この記事にコメントする

管理者にだけ表示を許可する