緑の毒*桐野夏生

  • 2011/10/14(金) 17:11:29

緑の毒緑の毒
(2011/08/31)
桐野 夏生

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妻あり子なし、39歳、開業医。趣味、ヴィンテージ・スニーカー。連続レイプ犯。。水曜の夜ごと、川辺は暗い衝動に突き動かされる。救命救急医と浮気する妻に対する、嫉妬。邪悪な心が、無関心に付け込む時――。


まともじゃない。登場人物のだれもがやり場のない不満や不安を抱えながら日々を送っている。普通はなんとか宥めすかして帳尻を合わせながら暮らすのだろうが、それができなかったのが、主人公の開業医・川辺である。勤務医の妻・カオルの浮気に嫉妬し、鬱憤を晴らすように昏睡レイプに及ぶのだから、これはもう病んでいるとしか言えない。川辺の人格には一片も共感できるところがないし、妻・カオルにしても同じようなものである。毒にまみれたような夫婦で、同情の余地もない。最後の一章のドタバタはコメディのようでもあるが、あまりにも情けなく哀しい結末である。題材の重さに比べてさらさらと読める一冊である。

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