虚言少年*京極夏彦

  • 2011/10/19(水) 14:05:12

虚言少年虚言少年
(2011/07/26)
京極 夏彦

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僕は、まあやる気のない、モテない、冴えない子供だ。かといって憤懣やるかたないわけでもなく鬱々と陰に篭っているわけでもなく、人気者でもなければイジメっ子でもなく嫌われ者でもなければイジメられっ子でもない。毎日がそこそこ楽しくて、そこそこ幸福であり、なのにそれを自覚していないことが多いので不平不満を垂れたりして、面白ければ笑うし悲しければ泣くし好きなことはやりたいし嫌いなことはやりたくなくて、学校も好きでも嫌いでもないという、まあべたっとしたどうでもいい子供なのである。ただ、まあ特徴を一つ挙げるなら。僕は―嘘吐きなのだ。


ソノ一・三万メートル  ソノ二・たった一票  ソノ三・月にほえろ!  ソノ四・団結よせ  ソノ五・けんぽう  ソノ六・ひょっこりさん  ソノ七・屁の大事件

主役の僕・内本健吾は小学校六年生である。そして学校ではそ知らぬ顔をしてつるまないが、下校時はいつも行動を共にし、似たり寄ったりの馬鹿さ加減を競い合う友人たち・京野達彦と矢島誉が準主役という役どころである。内容は・・・、と言って語ることはこれといってない気もするが、要するに毒にも薬にもならない小学生男子のどうしようもない頭のなかを覗き見しているような一冊なのである。427ページという厚みのある本であるが、読んでも読まなくても世間の動向になんら影響を与えない類のものであろう。だからといって面白くないわけではない。馬鹿らしい面白さ満載なので、ツボにはまれば笑いが止まらなくなるかもしれない、ということもあるかもしれない。名前の似かより具合から、京野達彦には著者が投影されているのだろうか、などと思い巡らしながら読むのもまた興味深いものである。忙しく慌しいときは避け、ゆったりと時間のあるときに読むといい一冊である。

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