まゆみのマーチ 自選短篇集 女子編*重松清

  • 2011/11/09(水) 07:32:16

まゆみのマーチ―自選短編集・女子編 (新潮文庫)まゆみのマーチ―自選短編集・女子編 (新潮文庫)
(2011/08/28)
重松 清

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まゆみは、歌が大好きな女の子だった。小学校の授業中も歌を口ずさむ娘を、母は決して叱らなかった。だが、担任教師の指導がきっかけで、まゆみは学校に通えなくなってしまう。そのとき母が伝えたことは―表題作のほか、いじめに巻き込まれた少女の孤独な闘いを描く「ワニとハブとひょうたん池で」などを含む著者自身が選んだ重松清入門の一冊。新作「また次の春へ」を特別収録。


表題作のほか、「ワニとハブとひょうたん池で」 「セッちゃん」 「カーネーション」 「かさぶたまぶた」 「また次ぎの春へ――おまじない」

東日本大震災で親を亡くした子どもたちを支援するために編まれた一冊である。どの物語も、躓いたり、心のなかのなにかが欠けてしまったりした人が主人公である。動けずにじっとうずくまっているだけのときを過ぎ、いまという場所からそっと思い返すようなものが多いのは、著者の心に宿る希望の表れのようなものだろうか。ほんの何気ないひと言が突然胸に深く刺さってきたりもし、またさりげなくその傷に手を当てられているようなあたたかな心地にも包まれる。力を抜いて時の流れに身を任せるのがいちばんいいこともあるのだと思わされる一冊でもある。

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